キタでは、平成23年にJR大阪駅の北側に「ジェイアール大阪三越伊勢丹」がオープンし、その南隣では大丸梅田店が増床する。24年には、阪急百梅田本店の建て替えが完了。この結果、梅田にある百貨店の店舗面積は現在の約1.5倍となり、集客力は格段に高まる。
新うめだ本店の入る新梅田阪急ビルは地下2階、地上41階建て、高さ約187メートル。百貨店部分は地下2階から地上13階、売り場面積8万4000平方メートル。14階から41階がオフィスフロアとなる。
ミナミでも、心斎橋から南へ徒歩約10分の難波にある高島屋大阪店は22年に増床工事を終え、約6万6300平方メートルの店舗面積が約8万4000平方メートルに増強される。さらに南の近鉄百貨店阿倍野本店も26年には約10万平方メートルという巨艦店に生まれ変わる。
昨年10月には、阪急阪神百貨店を擁するエイチ・ツー・オー(H2O)リテイリングと高島屋が3年以内の統合と資本・業務提携を発表。そごう社員にとって創業の地である心斎橋本店は「精神的支柱」ともいわれてきたが、収益率の低さを抱えたまま南北から挟撃を受け、売却の道を逃れられなくなった。
各百貨店にとっても、そごうの運命は他人事ではない。景気後退の影響で大阪地区百貨店の12月の売上高は前年比8.7%減少。各店は市場の急激な縮小を目にしながらも、激しい拡大競争に突入せざるを得ない。「梅田では撤退する店も出てくる」とささやかれてきたが、その言葉が現実味を帯びてきた。
現在のところ、各百貨店幹部は「大型投資案件に変更はない」と口をそろえる。しかし、もし大丸によるそごう吸収が心斎橋で実現すれば、店舗面積約7万7000平方メートルの大型店になる。
心斎橋は大阪有数の繁華街としてブランド力も秘める。丸井今井が破綻(はたん)した札幌のように、J・フロントによる店づくりが成功すれば、人の流れを変えることもあり得る。売却交渉の行方を、各百貨店はかたずをのんで見守っている。